水曜日

　

　　　　　気がかりな言葉
　　　　　この戸惑いをどうしよう？
　　　　　明日の行方
　　　　　立ち止まり、身動きがとれなくなる。
　
　
　

気怠さを弄んでいる。見つけたいものは分かっているけれども、探しようがない。探しようもないのに探すことに疲れている。隣か、その隣の部屋で、ウィンドチャイムが鳴っているのを聴く。風が通り過ぎている。
　
思い出に溺れてみようとする。できるだけ忠実に思い出そうとするけれども、もう色色なことが消えかかっている。私の髪にあなたが触れた。それだけで良かったはずだった。
　
もう何も残ってない。あなたに繋がる何も残ってない。手繰り寄せようとして切れた糸の先を何度も見ている。何度も。
　
二度と逢えなくても構わない。あの時の覚悟が、まだぼんやりと残っている。魂を売り渡した。永遠の闇と刹那的な幸福を同時に手に入れた。遠い日の嵐。あるいは、花火。
　
微熱に浮かされている。何もかもが嘘くさいね。全部嘘だったよって、笑って出てきそうだよね。後ろめたさがつくる夢。それさえも、もう最近は見ていない。
　
どうしたら長く一緒にいられるかより、どうしたら深く抉れるかを考えた。
楔を打つ。私の最深部に、打ち込まれた楔。
　
中弛みの日は、薄い膜をかけて霞み暮る。
ねえ、もう一度言ってちょうだい。風がうるさくて聞こえない。