そ し て 罪 深 く 愛 し て よ
大晦日
反省や後悔をするようなことは
なにひとつ無いと思っているけれど
振り返ることぐらいはしておこうと思う
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2002年12月31日(火)
宴の終わり
その場に私がいないということに
少しだけだけれど疎外感を感じた
いますぐに其処にいって
私もあなたと一緒に
宴の続きを
それは到底無理なことだけど
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2002年12月29日(日)
年の瀬
ガスコンロの油をふいてみたり
床を米のとぎ汁で水拭きしてみたり
茶殻で玄関を掃いてみたり
お風呂の湯垢をとってみたり
ゆっくりと年の瀬に向けて掃除をしていく
お正月はしめ飾りと掛軸を飾って
いただいたお餅でぜんざいを食べて
一番近いのに行ったことがない柏神社におまいりに行くと
決めてる
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2002年12月28日(土)
醜い
自分の醜さと戦って
泣きそうで
泣いたらそこで負けそうで
ふとんに駆け込んだら
ぽろっとこぼれた
負けた
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2002年12月26日(木)
火の用心
午後８時を過ぎると
火の用心の拍子木と声が聴こえる
こんな寒い日にも町内会のひとの野太い声
ありがとう
気をつけます
私はこの街のこういうところも好きです
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2002年12月25日(水)
あなたが変わってしまっても私は変わらないでいる
変わったのはきっと切らずにいる髪くらいで
音楽だって毎年と同じ坂本龍一だし
４０センチ大のアンティーク時計もそのままあるし
トイレにはほら
あの時と変わらない月のカレンダーが貼ってある
それは来年も変わらなくて
きっと再来年も変わらない
それでもあなたは
変わったっていうのかな
今年は
長靴のかたちしたプリンに惚れたってこととかを
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2002年12月24日(火)
太陽のくだもの
冬至だということを忘れていて、一日遅れてしまったけれど、パンプキンスープみたいなものをつくった。ひとり暮らしの時に覚えたソーセージとかぼちゃのミルク煮は、電子レンジでかぼちゃを柔らかくして２０分もかからずにつくれる、冬の朝食の定番。かぼちゃの黄色は、太陽の象徴で、厄除けになるんだと、いつか話したことがある。
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2002年12月23日(月)
午前８時のめざまし
あなたのからだから離れるときに
ほんの少しだけの後悔と淋しさを感じながら
ベッドから抜け出すいつもの朝
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2002年12月22日(日)
トマト仕立てのポトフ
赤いトマトのスープは、まるでいつかみた血の池地獄みたいで
ぼこぼこと音をたてている
少しだけ入れた赤ワインが大人の味にしている
薄いように見えて濃厚なのはもうひとつの隠し味のせい
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2002年12月21日(土)
恋が
あそこでちゃんと終わっていたらよかったね
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2002年12月20日(金)
歳末反省事情
もう１ヶ月以上遊び倒している気がしますが
「遊び倒す」にはほど遠い「遊び方」で
ちがう、もっと遊び倒すか真面目になるかしないといけない
と思いながら
遊び呆けています
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2002年12月19日(木)
日日
あたしはその人の日記を読んで
そういえばこの人も射手座だったなあと思って
そうしてそれから
そのひとのために何かしたいと思ったけれど
なんにもない自分は
なんにもあげられなかった
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2002年12月18日(水)
生き辛さを感じやすい方ですか
スキとかキライとか
そんな簡単な言葉で割り切れたら
楽
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2002年12月17日(火)
鬼の首塚
首が痛いのは根をつめているせいだとわかっていたが
もうどうしようもなかった。
とにかく吐き出したい。
私があのとき考えていたことを。
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2002年12月16日(月)
そんな哀しませることをどうしてするの
いつも大切なものほど
壊れてしまえばいいって思ってる
嘘
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2002年12月15日(日)
願掛け
何もせずに心を追いつめていくのも気分が悪いので
朝から掃除をする
埃と髪がたくさん落ちていて
かき集めると山のようになった
それはとても汚らしくて
もう３年近く伸ばしている髪を
切ってしまいたくなるようなひどくいやな思いをしたが
まだ切るわけにはいかなかった
部屋は綺麗になった
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2002年12月14日(土)
明日から
と
言っているうちは
何も進まない
その言葉も意味も知っているけれど
今日も何もしたくない
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2002年12月13日(金)
荒涼気分
雪の翌日は晴れるというけれど
こんなに快晴でも気温はぐっと低いままで
そとは否応にも凛としている
曇りの方が気温が高いものよと言われ
たしかにそうかもしれないと思いながら
空の高さを仰ぎ見る
刺すような真昼の細く白い月
いつだったか戦場ヶ原でみた月のように
何も言わずに私を追いつめていく
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2002年12月11日(水)
雪見舞
あ
初雪だ
*
メールが届いた音で目が覚めた
北から雪の知らせが届いている
曇天が続いた庭から嘘のような明るい反射で
こちらでも雪が降っているのだとわかった
今年は寒くなるのだろうか
例年より少し早い雪のおとずれ
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2002年12月09日(月)
ときどき不意に不注意なこと
そういえば火傷をしたんだった
風呂上がりの柔らかくなったゆびから不思議な痛みを感じて
はたしてその痛みがなんだったかを思い出すのに
しばしゆび先をみつめた
熱い金属と接触した部分だけ白い変色
あれに触ったら火傷すると知っていたのに
なぜ触ってしまったのだろう
あのときも
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2002年12月07日(土)
とても遠くにいるひとたち
私の世界はいまとても狭いので
外部からの接触がとても怖いものに感じる
知らないひとからのメールや電話や訪問が
ひどく不愉快な侵入に思える
前はそうでもなかったような気がするけれど
ひとりで居られない苦しさで
海の底にいるような沈黙の中で
太陽ばかりが水面で煌めいている
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2002年12月05日(木)
あまりにも柔らかい陽射し
冬の公園は無風で
太陽でほんとうにぽかぽかしていた
おべんとうを食べながら
あったかいね、と何度も言う
風が無いからね、と彼方が答える
あたたかさに包まれて
それに甘んじていたかった
風が吹いて
現実が突き刺さる
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2002年12月03日(火)
心を削る
ひとつ挫けてしまうと全てを放り出してしまうのは
私の悪い癖だ
だから調子がいいときに嫌なことは片づけてしまわないと
いつまでもだらだらと曳いてしまう
もう厭になっちゃった？と彼方に訊かれないように
私はもう少し踏ん張らなければいけない
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2002年12月02日(月)
まだ星が見える朝
早起きした１２月の朝はまるで真夜中みたいで
取り残されたような焦燥感に包まれたけれども
あなたが手を握って連れて歩いてくれたら
へっちゃらなんです
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2002年12月01日(日)
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