私の手の中においで

あなたが不安になるようなことはなにもないよ
言葉で闇が埋まらないなら
体温で埋めてあげるから
私の手の中においで
...

2003年07月30日(水)

おかえりなさい

ごはんできてるよ
おふろもちょうどよい温度
だいじょうぶだった？薬効いた？気分悪くならなかった？
おつかれおつかれおつかれさま
...

2003年07月29日(火)

大地と雲と空の間は

国道６号を北上していくと重い曇天がはるか向こうで切れているのを知った。今にも降りそうな波打つ黒雲の向こうに、薄い夕焼けがあることを知って、この雨が終われば本格的な夏が来るような気がする。美しい情景を見たことを知らせてくれるひとは、私の人生でまだ片手で数えるほどしかいないよ。そうして今は隣で運転しているひとだけがそういう人です。
...

2003年07月26日(土)

日比谷グリーンサロン

隣に座っているひとたちの話が、小学校の話になり、宗教の話になり、やがて原始の話になり始めたところで、席を立った。相槌を打つ男の人は、とても気だるそうで、話している人だけが饒舌だ。雨上がりの公園は緑の匂いがした。まだ嗅覚が生きている、と思った。
...

2003年07月23日(水)

失くした傘の行方を探している

昔から傘はお気に入りのしか使わない　そうしてそのくせいつも無くしている
黒い柄の青い傘は　無くしては似たようなものを捜し求めてまた買って
結局３本も無くした
ねぎらうように忘れ物の傘を拝借して帰る　雨曇の日
...

2003年07月22日(火)

それは演技ではなく心からの行為で

その淋しさに同調してはだめ　あなたはうんとしあわせそうにして　まるでほんとうになにもなかったみたいに　あるいはすべてを受け容れたように笑え　うらやましいと思われるほどに
...

2003年07月20日(日)

どどんぱどんぱ

夏生まれの友達が多い。
バースデーカードでも贈ろうかと文房具屋に行ってみたものの、気に入るのが無い。ふと、隣では気の早い暑中見舞いカードが特集されていて、そちらでかわいいのを見つけて衝動買いする。
花火が咲く。夜の空。どどんぱどんぱ。あなたが生まれた日にも、花火が打ち上げられていたかもしれない。
...

2003年07月19日(土)

子猫の目が潰れているので

見かねて抱きかかえ、脂をとる。にゃあとも鳴けず、ぐずぐずした鼻を、拭いてやる。人間用の目薬をさして、ようやく可愛い眼が見える。
おまえ、世界はこんなに明るいことを、知らなかったろう？
...

2003年07月16日(水)

左眼が痛む

そのせいで
右目で未来を左眼で過去を見ているような気がする
...

2003年07月14日(月)

捏造されたわけでもないのに

私の小さな庭のコンクリートヤードで、向日葵が夏を待ってる。小さなプランターから溢れ出しそうなほどにわさわさと、どの葉も重ならないように精一杯広げて、太陽ばかりを追いかけている。ただ、それだけのことが、なぜ、こんなにも懐かしいのだろう。
...

2003年07月11日(金)

またひとつ悲しい事件がおきた

もう私は涙も出ない
憤りすらない　ただただ　悲しいというだけだ
...

2003年07月09日(水)

ねまきぱじゃまでお茶を

結婚式の２次会に出席して戴いた茉莉花牡丹を淹れると、薫り高いジャスミンの匂いが部屋中に広がる。眠そうな顔で、そのくせとっくに覚醒しているあなた。熱湯を注いだ茉莉花牡丹が完全にひらくまで、どうかそのまま動かないで。花びらのように、ゆっくりと開いていくのをみていて。
...

2003年07月06日(日)

ふたりして笑い皺のできるまで

雫の日もお日様の日も、おもしろおかしく生きていく。
それが勲章みたいに、皮膚に刻み込まれるまで。
...

2003年07月03日(木)

愛してるとか恋だとか

あなたを思うときに一番じかに永遠を感じる、というのは誰の言葉だった？
...

2003年07月01日(火)

LIST