それでもまた私の髪に触れてくれる？

三年越しに伸ばした髪をばっさりと落として
首筋が涼しい
何かしら片づいたような気になってみたけど
気がするだけかもしれない
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2003年09月30日(火)

地震

私たちは所詮、薄皮のうえに立っているに過ぎないのだと
いつも思う
ほんとうに
あなたもわたしも
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2003年09月28日(日)

ビッグ・オーの話、のような？

完全な円というものがどういうものかを知ってる
それは他方で他者を破壊たらしめるものだということ
だから私は、少し欠けているくらいでちょうどいい
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2003年09月25日(木)

言葉がいつまでも生き続けるなんて嘘だ

あなたが物語の続きを書いてくれないので、私が勝手に書き足した。
あなたに似せて書き始めたものが一人歩きして、もう似ても似つかないものになっている。
私が欲しかったのはこんなものじゃないのに。
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2003年09月23日(火)

家蜘蛛

足が八本以上の生き物は虫酸が走るくらい嫌いだ。百足などは、刺さないと刺される、という恐怖があるので速攻熱湯をかけて容赦なく殺してしまう。
だけれども、糸で巣を作らない家蜘蛛は、家守と同様「家の神さんや」と言われて育ったので殺すことができない。小指ほどに満たない蜘蛛を、とんとん、と脅して外に出す。手の平大の蜘蛛を、箒でそっとたしなめながら窓の外に出す。そうやって私は育ってきた。
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2003年09月21日(日)

湿度の高い日とか。

ときどき、腕時計をしていることがひどく鬱陶しくなる。そんな日は指輪も眼鏡も服さえも煩わしい。
私が身につけるアクセサリは最低限のものでしかないのに。
そのくせ温かいものには触れていたくって裸で布団に滑り込む。
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2003年09月20日(土)

降臨

最近はもう「神様が降りてきた」ように
文章を書くことは
ほとんどといっていいくらい無いのだけれど
ああいうトランスした状態では完全に見落とすようなことを
今は書いている
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2003年09月18日(木)

敬老の日

もう私が私かどうかまでわからないくらい呆けてしまった祖母が、まったく何年ぶりかに「りょうちゃん」と言い、私が米寿祝いに買ってきたフリースの赤い肩掛けを手に、「いっとうしょう」と笑ってくれたのが嬉しかった。祖母が歌を歌っているのを見るのなんて、それこそ十年ぶりくらいじゃなかろうかと涙が出た。帰ってよかった。
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2003年09月15日(月)

そら

明るい月が見える。
星さえも掻き消すほどの明るさのなかで、それでも明るく隣に光るのが火星だよ。
あなたには見える？
どうぞ雲よ、宇宙を隠さないで。
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2003年09月10日(水)

極端な話

「どうしてそんなめんどくさいことをするわけ？」
という私の問いに
「伝統だから」
と有無を言わさず答えられて、そのあまりの疑問の無さに、
この人はきっと戦争になったら「戦争だから」とか言って人を殺すんだろう。
とか
一瞬だけ思った。
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2003年09月09日(火)

人体の不思議展

やっぱり骨がいちばん美しい、という言葉を聴いて
わたしはあなたの骨が欲しかったのだとわかった
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2003年09月08日(月)

きれいな東京タワーが見られたでしょ

たとえば
過去を振り返ったとしても
もう
過去に溺れたりしない

そこにある私らしさ
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2003年09月05日(金)

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