忘れたくない気持ちと同じくらい忘れたい。

時報を聴くのがスキ。でも秒針が進む音はキライ。少し先のことは、なんとなくでいいから判ってたい。ずっと先のことはわからなくていい。昨日までのことは、
忘れたい気持ちと同じくらい忘れたくない。
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2003年10月31日(金)









てのひらに、最後の一錠。

薬を飲んでから猛烈に眠い。それでも冷蔵庫が空っぽなので買物に行く。朦朧とする意識の中で、とにかく風呂に入りたいと思い、帰ってすぐにお風呂を入れる。散乱した服と、買ってきた物。ごめん明日片づける。
症状も楽になっているし、薬は効いているはずだ。
熱い湯で温まると少し安心した。
脳出血になってもいいから楽になりたい、そう思いながら眠りにつく。
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2003年10月30日(木)









アンダーウェア

つかれた日はゆっくりお風呂に入ってビタミン・カラーの下着を着る。
オレンジとかライトグリーンの。
新しい下着をおろすのもかまわない。
午後９時には眠っちゃおう。
そうやって予定された幸福感に騙されてしまおう。

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2003年10月28日(火)









私は持つ人であなたは持たない人だから？

私が何かを助言してもきっとあなたの耳には入らないだろう
そう思うことすらおこがましくて私は相槌だけうつ
だからあなたは私の話を聞かなくてもいい　でも少し淋しい
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2003年10月26日(日)









贖罪ということもうまく言えずに

イヤホンのコードが断線しているらしい
右耳から聴こえたり左耳から聴こえたり
大きい音だったり小さい音だったり
そうしてぶつぶつとした雑音が入ってきて音に酔いそうだ

イヤホンを外した瞬間に外界からおぞましいものが軀に入ってきそうで
それでも耳から離す事ができない
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2003年10月24日(金)









こどもみたいに

９時には眠ってしまうから
通勤電車で考えたことばもどこかに消えてしまうよ
ただただあなたのことを想って眠る
あなたの痛みをどうか掬い取れますように

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2003年10月23日(木)









雨上がり晴れ間ランチ

おべんとをもって前庭に行った。花水木だけが真っ赤な実をつけて紅葉してた。
雀や鯉におべんとをちょっとだけ分けてあげて、空を仰ぐ。大都会のど真ん中。
誰もいないけれど私を呼ぶ声がする。
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2003年10月15日(水)









終業間際

ブラインドを上げるともう日没だった
金曜日までは見なかった夜景が眼前に広がる
ビルの窓からいくつもの光が零れて
ライトアップされた東京タワーがすっくりと立っていた
どれくらい冬を越せば私はあなたにたどりつけるだろうか
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2003年10月14日(火)









秋休み

今年は三連休を存分につかって遊んでばかりいます
愉しいことだけ考えています
あなたを追いかけて京都まで行くよ
東山を歩こう
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2003年10月11日(土)









仕事してれば忘れられることだから大したことじゃないよ

窓口でにこにこしているのはそんなに嫌いじゃない
こんな日は大勢ひとが来るのがいい
少しの緊張感と余裕
的確なサービスが迅速に
ほら指先からオーラさえ見える
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2003年10月10日(金)









不届きなメールが届いた

あなたには無理だと思っていたけれどやっぱり無理だった。所詮口先だけで、何もできてないじゃない。あのころはあなたが十代だからまだ幼いのかもと思ったけれども、三年経ってもこんなメールをよこすくらいだから何も変わってないし今後もきっと変わらないでしょう。一見、責任がおけそうで、もっとも無責任なあなた。さよなら。「おひさしぶりです、お元気ですか？」と書いてあるだけでよかったのに。こんな不愉快な気分にならずに済んだのに。
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2003年10月09日(木)









哀愁ランチタイム

ひさしぶりにつくったサンドイッチを抱えて、１Ｆのロビーまで降りてみたけれど、曇り空を見るや急に肌寒くなって外に出るのをやめた。池の鯉や、飛んでくる鴨さんがいる前庭のことを思ったけれど、思いながらロビーの椅子でサンドイッチを食べた。
爽やかな気温はすぐに過ぎ去ってしまう。すぐに冬になってしまう。
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2003年10月08日(水)









When The Saints Go Marchin' In

肌寒い公園を歩いていたら、トランペットの音が聴こえた。
「聖者の行進」だ、と思いながら音に合わせててくてく歩く。
トランペットは時々音をはずして、決して巧いわけではなかったけれども
私は聖者の行進をしているのが楽しかった。
この曲は嫌いだったけれど、今はそうでもない。
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2003年10月07日(火)









おひより

ケトルにたくさんお湯を沸かして、とっておきの祁門を用意する
窓を全部開け放して、風が少しだけ入ってきて、いつものラジオが流れていて、
でも私はパジャマのままでいます
窓際のベッドに陽がさしていて、ごろんと横になってみたりしています
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2003年10月05日(日)







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