心の洗濯

隣の庭に薄紅色の山茶花が咲いていて、そこだけ空気が凛としている。
そういうのを見ながら洗濯の続きをする。一年の汚れを落とすため。
今日は暖かい年の暮。
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2003年12月30日(火)

初雪の日

車が道路で水を跳ねていく音がする。雨が降ってるかな、そんな気分で朝食の洗いものを片づけていた。
雪だよ！
隣の部屋から声がする。
雪だったんだよ！
駆け寄った庭に、少しだけ降りた初雪。昼には溶けてしまう雪が、今年の仕事納めを告げている。
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2003年12月27日(土)

merrymerry

私はあなたの前だと、ほんとうに安心しきったこどもみたいに居ることができる。（私がこどものときには"本当に"安心しきった日など無い）　お互いの存在に慣れきったところに愛情があるなら、きっとこれがそうなんだろう。でも私はあなたの存在を失う日のことを考えて怖い。あなたがどこにもいかないと信じているからこそ怖い。
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2003年12月24日(水)

本当は何も変わらないまま、痼りのように残っていく。

拍子木の音が響いて、今年もまた火の用心の声が聞こえる。
年の瀬が迫って、何か心に区切りや整理をつけなければいけないと言われている気がする。
カレンダーを見ても、どのようにこの一年を終わらせればいいのか、到底判らない。ましてや今人生のどのあたりにいるのかなんて想像もつかない。
私は何かを終わらせるのが苦手だと思った。
そこに触れなければ気付かない間に消えていくのではないかと、今も思っている。私が変わらない間に、周りがどんどん変わっていって、それで終わった気になっている。
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2003年12月21日(日)

ようこそ。

ひとを我が家にお迎えするのに掃除をするなんて久しぶりだ。
あなたが決まってくる金曜日の夜のために、前日はおそうじをしてお迎えしてた。
好きなものしかない空間に好きなひとが居るのはうれしい。
それが当たり前になることもとても嬉しい。
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2003年12月20日(土)

正直、見づらい時計です。

いつも使っていた時計の電池が切れたので、特別用に隠しておいた時計を一時的に出してみた。
青い半球の時計。秒針の先に魚のモチーフがあって、一秒ごとに魚が泳いでいく。まるで小さな水槽を覗いているようで、うっかりすると左手首を見続けてしまっているのです。
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2003年12月18日(木)

おなかすいた

食べても食べても満たされない気がする。吐くタチではないから、全部吸収している。太るかな、と思いながら、でもつい、食べてしまう。おかしいな、この間まではこんなに食べなかったのに。我慢すればいいのかもしれない。実際そんなに空腹なわけじゃないと思う。でも我慢は嫌い。そうやってまた、チョコレートに手を出してる。
どうしてこんなに口淋しいんだろう？　煙草でも吸おうかな。ポリシーに反するけど。そんなことをしてみたい気分。
とりあえず歯磨きしてもう寝よう。寝てしまおう。
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2003年12月17日(水)

命短し恋せよ乙女

泳ぎつかれて体を助手席に埋めながら半分眠る。明るい金星が見える。
水着から着替えながら読んだ彼女のメールにひどく疑問を感じたけれども、その疑問を率直に言う気力が無かった。後悔するような恋愛をして欲しくない。そんな恋愛ならしない方がいい。伝える言葉は決まっていたけれど、言えなかった。運転してくれている彼の横顔にそのことの同意を得たかったけれども、それもまたしなかった。夕焼けの残り陽だけが眼の奥に残って、私は眠りに落ちていく。
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2003年12月14日(日)

必要なのは言葉ではないと知っているけれども。

とにかく黙々と同じことをしていると、精神が集中するというのは本当だと思う。まめに包丁を研ぐようになってから、私はとくに意識して集中するようにしてる。それは、奇麗に研ごうとするというよりは、より無心に近づくため。
雑念というものが刃渡りに傷をつけることを知った。手を固定するのではなくて、意識を固定するのだと思った。

私はまだ、あなたを信じさせるだけのどんな言葉も、持ち合わせてない。
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2003年12月13日(土)

最近、夜中に必ず目が醒めてしまう。

真夜中に目が醒めたあと、用を足して半ば強引に眠った。
夢の中で私は三人の子供を産んだ。
手のひらほどの子供を並べて医者は言う。
「右の子は小さすぎてもうすぐ死ぬだろう」
「左の子は皮膚の材質が違うから長生きはできない」
「真ん中の子供になさい」
私は名前を３つ考えて、夫に選んでもらった。
「"行"がよい」
ユキ。
真ん中の子はにこりと笑って私を見た。
手のひらほどの子供を抱えて、私は再び眠りの中に落ちた。
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2003年12月11日(木)

あなたよりずっとタフにできてるよ

死のうなんて思ったこと無い
絶対に何があっても生きてやると思ってる
人を簡単に裏切れる
価値を簡単に転換できる
そうしてそんなこともあったと言って笑ってやる

あなたの分まで生きる
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2003年12月10日(水)

そしてまた同じことの繰り返し

忘れたように見せかけて笑って
どんどん傷ついていく
その傷のことも見ないふりをして
いつか本当に忘れてしまうまで
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2003年12月09日(火)

たまに思い出したように私は泳ぐ

水に浮びながら天井を見上げ、水音を聴いた
どんなに力を抜いたつもりでも緊張している
ひさしぶりに泳いだ
皮膚の脂が塩素で落ちるように、余分なものが水に消えた気がする

もっと泳ごう
せめて今年の間だけでもプールに通い詰めよう
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2003年12月07日(日)

禁じ手

自分の中で持っていた拘りがひとつ消えた
消えてみるとなんでそんなことに拘っていたのかよくわからないくらい
あっけないものだった
自分がいかにそれに囚われていたかを知ったけれども
だからって人生すべてをfrankに捉えるほど
軽く生きていけやしない
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2003年12月04日(木)

ケンタウルス

魂が飛ばないように抑え付けている
それでも気がつくと相当な時間を無為に過ごしている

何か目標が必要だ
遠くのおぼろげなものではなくてとにかく目の前から片付けていけるようなこと
いつも何かに向かっている方がいい
いまさら無くしたものを探すより新しいものを見つけよう
そう
言い聞かせている
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2003年12月02日(火)

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