そうやって気を使っている間は何も変わらないね

あなたがするあなたの話を延々聞き続けていたら
ふいっと軽くわたしを拒否した拍子に すっかり聞き飽きてしまっていることに気づいた
あなたが自分に夢中のうちに わたしは目を閉じて視界の外にあなたを追い出してしまう

まだ可哀想な少女でいる いつかの私みたいで見ていて気持ち悪い
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2004年02月29日(日)









倫理と道徳は全然違う

あの時は自分の傷みに手を添えるので精一杯だった
論理や思考よりも先に感情が立って
それを説明することが何よりも重要だった

その場からこうして何年も離れてみれば
今度はもう少し広い視野で捉えることができるかもしれない

先生は私を物書きにさせる力が無くて済まなかったと言っていたけれど
私は物書きになりたかったわけじゃない
あの時も言った
私は何らかの形で過去の自分を達観したかっただけだ
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2004年02月27日(金)









栄養剤

点滴が落ちてくるのをみていると
世界が零れているように感じる
私のからだが受けとめて血や肉になるように
世界が零れているように感じる
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2004年02月24日(火)









春が来る

強い風のあとに雨がやってきた 髪が急に 湿気を含んで軽く跳ねる
九月に切った髪がもう纏められる長さになってきた
髪の長さは想いの深さに比例していると思う
私はほんとうに滅多にしか髪を切らないけれども
それでも切っては伸ばし、伸ばしては切っている
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2004年02月22日(日)









あなたの筆跡の私の名前

そういえばほんの数年前はこうやってたくさん書いたメールを送っていた。
専用のボックスを用意して、100通目、とか確認するのがひそかな楽しみだったね。
ケータイメールで一文だけのやりとりも好きだけれど、そんなメールは消してしまっている。
私が何年か前に書いたメールを不用意に開いて、赤面するほど恥ずかしかった。
普通のどこにでもある他愛ない文章なのに、赤裸々で、正直で、残酷で、愛おしいメール。
メールでさえこうなのに、手紙だったらどうなんだろう?
あなたからの手紙を残しているよ。
ときどきこっそり出してあなたの筆跡の私の名前を見ているよ。
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2004年02月21日(土)









ひだりての中指

指先からの痛みで、いつもより深く切ってしまったのだと気付いた。
ほんの少しだけ深い。
1ミリにも満たない欠損を見つめながら、もうなにもできないような気がした。
ずっと誤魔化していくことなどできやしない。

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2004年02月19日(木)









甘い言葉をちょうだい

「欲しいものある?」
メールが届いた。欲しいものはひとつだった。でも言えなかった。
ここでそれを言ってしまったらきっと夢が醒めてしまう。
「甘いものをちょうだい」
送ってみたけれど返事はなかった。

目が覚めた。そんなメールのことは忘れていた。
甘いものはいまだに届かない。仕方ないので自分でつくっている。
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2004年02月14日(土)









ズル休み

13日の金曜日は勝手に仕事を休むことに決めて
こっそり買ってきたチョコレイトでケーキを作る
ブラウニーもガトーショコラも飽きるほどつくったけれども
慈しむように湯煎にかけているときが一番、胸が痛い

急に14歳の少女に戻った気がする
でもきっとあの頃から私はあなたを探していた
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2004年02月13日(金)









長い長い階段を 今ようやく降りようとしている

仕事の終わりにブラインドを上げると 目に刺さるほどの明るい夕焼けがあった
ちょっと前までは 東京タワーのライトアップさえ映える時間だったのに
ついこの間立春を迎えたと思ったら
すべてが春に向かって動き出しているみたいだ

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2004年02月10日(火)









指折り数えてその日が来るのを待つのは止そう

仕事に出るのが億劫な月曜日の朝は
ミルクキャンディをポケットにたくさん詰め込んで
こぼれそうな気持ちを拾いながら家を出る
大事な忘れ物をしたけれど取りに帰る時間も無い
曇天が世界を閉じてしまった
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2004年02月09日(月)









根底

あなたがあまりにも私の奥底にいるから
あなたを失うと私はきっと別人になってしまう
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2004年02月08日(日)









チョコレート中毒

眠る前にチョコレートをこっそり食べるの癖になってしまってる
胃腸薬と正露丸と鎮痛剤と睡眠薬を 同時に飲むのってヤバイかなぁ
飲まないけどね
冬は息苦しい
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2004年02月05日(木)









寒風摩擦

今年は皮膚が乾燥負けして辛い全身が痛い痒い
クリームを塗っても切りがないので まったく保育園以来じゃないかと思うほどの 乾布摩擦を始めた
軟弱者なのでストーブの効いた部屋の中でタオルを皮膚にごしごし当てる
じんわりと汗が出てくるまで

なんだかあまりに健康的なことをしていることに苦笑して
血がでてくるまで引掻いていたことを体に謝る
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2004年02月04日(水)







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