それはまるで特別な日のお料理のようで。

いちにちの憂さ晴らしにつくるコロッケは
ざっくり煮込んだほかほかのじゃがいもを
丁寧に丁寧にまとめてから大量の油でからりと揚げる
あなたの好きな料理は毎日でもつくっていたいけど
実はハンバーグより手間な料理なので　あまりつくらないのです
いとしさとともに積み上げていく 俵型のコロッケ

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2004年04月29日(木)

濡れる躑躅の花

辛いときほど貴方を大事に思うのは
逃げなんかじゃないと思いたい
なんでもひとりで出来る
私はひとりでも生きていける
だからこそ貴方を必要だと思う
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2004年04月27日(火)

ずるい、と思うことがたくさんある

卑怯だと思う
薄情な方が良かっただろうか
それは誠実さだろうか
いづれにしても所詮偽善じゃなかろうか

私は彼女の横顔を見ながら考える
薄い陰のような後ろめたさ
それがあるだけ少しはましだろう
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2004年04月26日(月)

そうしてあしたもあさっても

眠る前に少しだけ本を読んで（ほんの少しだけ）
続きを想像しながら灯りを消す
それから今日のあなたのことを想う
今日もあなたを好きだと思う
いつも運命に感謝しながら眠りにつく
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2004年04月20日(火)

夢を見た

一晩で５話くらい見たので疲れた
どれもずっと気にかけていることで、だいたいの話は自分の都合の良い様に話が進んでいたが
目覚めてみるとどれもどうでもよいことのように思われた

でも結構単純に日常が反映されていることに気づいて
軽く笑った
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2004年04月17日(土)

また違う場所を求めて動く日に備えて耐える

そのひとりの一存で黒になったり白になったり
時々入れ代わったり勝手に決め付けられたりするのが嫌で
この場所を選んだはずなのに
辿りついてみれば全く同じ場所にいることに気づいて呆然とする

入ってみなければ分からないことが多くても
どこもこうだと思うしかないなんて遣る瀬無い
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2004年04月14日(水)

紛らわしい現象

最近おかしなものをたくさん見る
片方しかない靴
不自然な位置にある本
前回と正反対なことを主張する上司
極めつけは
電話ボックスの中から倒れている人

急激な気温の変化に軽い頭痛に見舞われながら
それでもすべてが日常だと、思った
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2004年04月12日(月)

ほかほか陽気

朝イチで洗濯したシャツが夕方にはふわふわに乾いていた
冬はもうとっくに終わって
春さえも終わろうとしていて
プランターに植えたスイートピーが芽を出している
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2004年04月11日(日)

私にはもう逃げ場所がない

自分のことばっかり考えて惨めだ
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2004年04月10日(土)

さよならを云うには惜しくて

５階建ての建物より低い位置で月が満月になろうとしている夕方
走り去っていく２台の自転車の影を追いかける
どこまでいっても届かない気持ちを弄んで
いっそのこと捨ててしまおうかと思っている
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2004年04月05日(月)

音楽とママレードと土曜日の午後

古い伊予柑を刻んでマーマレードにする
房をいちいち丁寧に剥いていくことや皮を極薄で刻んでいくこと
こういう細かい作業をするのは嫌いじゃないけどあまりやらない
歯がゆさやもどかしさを埋めるための自信は、地味で単純な繰り返しからしか生まれないと知ってる
その過程を飛び越えてなどいけやしない
わかっていてもまた苦渋を舐めている

煮込んでいるうちに甘さと苦さが重なっていく
香りが飛んでしまわないうちに壜に詰める
閉じ込めたオレンジの色
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2004年04月03日(土)

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