樹下の二人
あれが阿多多羅山、 あの光るのが阿武隈川。
ここはあなたの生まれたふるさと、
あの小さな白壁の點點があなたのうちの酒庫さかぐら｡
それでは足をのびのびと投げ出して、
このがらんと晴れ渡つた北国の木の香に
満ちた空気を吸はう。
あなたそのもののやうな此のひいやりと快いすんなりと弾力ある雰囲気に肌を洗はう。
私は又あした遠く去る、
あの無頼の都、混沌たる愛憎の渦の中へ。
ここはあなたの生れたふるさと、
この不思議な別箇の肉身を生んだ天地。
まだ松風が吹いてゐます、
もう一度この冬のはじめの物寂しいパノラマの地理を教へてください。
あれが阿多多羅山 あの光るのが阿武隈川。
*
久しぶりに引用コピペ。
有名すぎる作品だけど、やっぱりいいと思う。
「この不思議な別箇の肉身を生んだ天地」
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2004年07月29日(木)
日曜日の夜 県境
夜の大利根橋を渡るのは好きだ
連なる街灯の湾曲も長い大きな橋も都心に向かって走って降りていく感じも
いつも助手席から見て関東平野だと思う
常磐線の利根川橋梁が平行して走っていて 遠野さながら夜の鉄道を追いかけて走る
そして私は
列車から零れ連なる光の先に また月曜日があることを知ってる
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2004年07月25日(日)
one on one
ああそうだ
決着なんて疾うについていたのだ
わたしはいつまでもあなたを追いかけていく
追いついて追い越してもなおあなたを追いかけていく
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2004年07月24日(土)
たとえば彼女の仕草とか
気づかなくていいことがたくさんある
ずっと無知は罪だと思ってきた
気づかなくてはならないと思ってきた
此の頃は気づかなくても良かったことの方が多い気がする
気づいても気づかないふりをして
傷ついても疵つかないふりをして
気疲れ
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2004年07月20日(火)
国内or国外
お手製の干しぶどう酒を実家から送ってもらった蜜柑ジュースで割って
それはそれはご機嫌な気分で飲む
片手には旅行のパンフレットを用意して
たくさん落書きしながら何処にいこうか思案する
あなたとだったらどんなところでも楽しいに決まってるんだけれど
だからこそどこでもいいわけじゃない
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2004年07月15日(木)
骨折あるいは蹉跌
弟が受験生なのに左足を折って今日手術だった
２週間ほど入院するらしい
うちの家族はみんなして馬鹿だ阿呆だと云って
全然心配しているそぶりをみせないんだが
そうするのがうち流のはげまし方だったのかもなぁと、はたから見て思う
先生が
「なにくそ、と奮起して得るものには、大きな代償を払っているからやめなさい」
と云われた
あれが私の心の支えだ
私には貶されて伸びるものなど何もないんだ
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2004年07月13日(火)
金曜日の夜。柏駅西口。
今週も駅前からはソプラノサックスの音が流れていて、宵の情景には心地よい。
坂本九の音楽は耳障りが良くて、聞き慣れたクラシックにさえ似ている。
おやじは派手なアクションをするでもなく、音楽に身をまかせているのだろうな、そんなことを思いながら私は遠ざかっていく。あの横断歩道を渡ってしまえば聴こえなくなってしまう。そんな名残惜しさで帰路につく。
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2004年07月09日(金)
面白くないって言うか
うん、まあ、最後まで読ませる力はあるし、まあ面白いんだけど
なんか、何にもないんだよね
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2004年07月08日(木)
七月六日
そういえばもう明日なのだった
友達が隣で七夕の話をしていても
それはまだずっと先のような気がしていて
それはなんでかっていうとうちの地元は八月七日が七夕だったせいだなぁと 思った
まだ習慣づいている
そんなことよりも今日は母の誕生日だ
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2004年07月06日(火)
飲み放題
歓送迎会で３回も飲み会があったのに
飲めるお酒が全然なくてオレンジジュースばかり飲んでた
そんな下手なストレス解消の為に
自分で作った干しぶどう酒を20mlだけミルクで割る
自分好みのお酒を自分の好きなだけ飲めるなんてシアワセだ
そんな気分で飲んだ１杯だけでふわふわしている
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2004年07月04日(日)
やけに涼しい夜だったので
仕事から帰ってベッドになだれ込んだものの
久しぶりに熟睡することができた
早朝のまどろみの中で炊飯器が音楽を奏でて出来上がりを知らせる
きのう仕掛けておいてくれたんやぁ
隣に眠っている柔らかいからだに抱きつきながら
もう少し眠る
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2004年07月02日(金)
女友達あるいは同僚
まるで私がズルをしたような
そんな責める目で見られた
それでも私は笑って手を振りながら「おつかれさま」と言い
エレベーターのドアが閉まっていった
そこに束縛のようなものを感じて逃げ出したくなる
急に約束を放棄したくなる
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2004年07月01日(木)
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