台風１６号と初盆送り

３月に祖母が亡くなったので、今年は新盆。うちの和尚さんは８月中だったらいつでも、おっしゃってもらったので、お盆からずらせて執り行う事にした。まあそもそもお盆に休みが取れるような人間はうち（実家）にはいないのだ。
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８月は飛行機も高い。特割どころか早割すらない。ウェブ割＋往復割引くらいじゃ往復４万強かかるので、適当にフリーツアーを探して決めた。２泊３日フリーツアー２９８００円。２８日の始発便と３０日の最終便でお願いして、一日目は内子座で文楽を観て、夜は実家で泊まるのでホテルはキャンセル（割引無し）、二日目は盆送りをして、夜はホテル宿泊。三日目松山観光をして帰宅、の予定、でした。
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柏から羽田空港まで行くのに今回は羽田空港高速バスを利用。片道１５００円。私が住んでいる西口側からでているのも嬉しいし、空港まで直で（乗換えナシで）連れていってもらえるのも楽ちんだった！　今度からバスを利用しようっと♪
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写真は琵琶湖大橋。

Aug 28 14:00

内子町にある内子座は大正時代から残る芝居小屋。公演が無いときは３００円の入場料を払って中を見学することができる。でもいつか公演を見に来ることもあるだろうと思って中を観たことは無かったのでした。
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３月に祖母の葬式で帰省した時に文楽のポスターを発見。曽根崎心中。折りしもキモノに興味を持って、前々からの夢だった文楽を観たいと思っていたところ。最初に観るのはゼミでも取り扱った近松世話物、と決めていただけに即決。近松世話物は今年（２００４年）の東京公演では年間予定に入ってなかったので凄くラッキーだと思った。
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この公演はもちろんキモノで観るつもりで着物一式持って帰ったのだけれど、着替える時間もそうなかった上に、帰省したら愛媛は暑くて！しかも近年最大の台風１６号が奄美諸島でうろうろしていたので天気も悪く、結局お洋服で出かけました。
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小さな芝居小屋だとは思っていたけれど行ってみたらバレーコート一面取るのがやっと？ってくらいで、そんな小さなところにギュウギュウに押し込んでいるものだから枡席に６人も座っていたりしてかなり狭い。床板に小さな座布団では正座で観るのは辛いし、崩した体勢でも長続きせず、結局体育座りなんてしてたから、着物で行かなくて良かったかも。初めてだから奮発して松席７千円。前から２列目の花道席が取れた。

Aug 28 14:00

演目は義経千本桜の道行初音旅と曽根崎心中の全幕。人間国宝の竹本住大夫と吉田文雀も出演。といっても文楽はビデオで観たこともなくて本で読んだだけの形式なことしか知らないし、周りに文楽ファンもいないので超初心者。事前に床本という太夫が話す全文が書いてある冊子が送られてきていてさらさらと読んではおいたけれど、はっきりいって義経千本桜はぜんぜん聞き取れなかった・・・うーん困ったなー曽根崎心中もこんなのなのかなーと思ったら、曽根崎心中は普通に聞き取れた。それなりにホンを読み込んでおくことも必要かなあと思ったり。
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文楽の人形って初めて観たんだけれどもほんと凄い。前から２列目だったので、数メートルしか離れてないところで見られたのは嬉しかった。貌は同じなのに表情が感じられる。思ったよりも凄く細かく動く。でも人形だから動きにも限界があって、そういう限られた動きの中で感情表現を見せるのはなんというか禁欲的だなあと思った。そういう意味で歌舞伎より好きかも知れない。
太夫の声の通りの良さにも驚いたし、三味線のリズムがこんなに心地よいというのも知らなかった。鐘の音や足音が機械音でなく実際の音であるのも印象的。ひとつの人形に３人の人間がつくのは知っていたけれど、３人のバランスの取り方も絶妙な素晴らしさだ。あと着物がころころ変わるのであの柄はいいなーとかいい生地使ってるなーとか真剣に魅入る。
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曽根崎心中は近松の原文（古文）を何度も読んでいたので、そこからいろいろ想像して読んでいたつもりだったのだけれど、やっぱり読むのと観るのは全然違う、と思わされた。これが演出というやつなんだろう。九平次なんてほんと悪役面でびっくりした。あんなやつを友人というなんて徳兵衛はよほどのお人好しだ。下女のシーンがあんなに可笑しみがあると思わなかったし、かの有名な初の足首で徳兵衛が死の決意を知らせるシーンはほんとエロティックだ。ひとりで動かすような脇役の人形ですら、その動きは見逃せない。
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床本にすると数ページにしかならないこの単純な話を、３回に分けてゆっくりとゆっくりと語る。言葉少なに、しかしそれゆえに非常に感情的だと気づく。
次は天の網島、その次は女殺油地獄が観たい。まあ結局私は人形が見たくて文楽が好きなんじゃなくて、人形のために書かれた世話物が好きだから文楽が好きなんだろうなーと思ったりした。

Aug 28 17:00

内子の観光スポットをひとつ。高橋邸です。情緒溢れる庭、古い味のある母屋。カフェでもあるし、イベントとして利用もできるんですが、なんと宿泊（参照）もできます。
宿泊は一組貸切。すごい贅沢。しかし料金が２人以上で素泊まり一人３５００円と格安。実は去年の秋に４人で泊まりました。外見は古いけれどもトイレやお風呂は最新式だったりして便利。せせこましい内子ながらここの駐車場にクルマを泊めると八日市・護国の町並もすぐそこという好立地。２階からの内子盆地の眺めも佳し。夜は観光客もおらず静かでゆったりできます。貸切なので民宿っぽい感じはなく、むしろプライベート感溢れる贅沢コテージという雰囲気が好きです。また借りたい。

Aug 29 11:00

初盆送りは身内の親戚１５人程度で。母がひととおり用意してくれていました。いろいろ大変なんだよねえ、宗教事は。和尚さんに来てもらって教わりながら、経をあげていただく。お墓まで行って灯籠を燃やして、帰って懐石風お弁当をいただいて終わり。大型台風は未だ九州上陸ならず、雨だと灯籠が燃やせないねえ、と話していたのに雨すら降らず、順調に執り行われた。ばあちゃんが雨降らんようにしてくれたんよ、とか話しつつ。いやむしろこの日に上陸してくれていれば良かったんだけど。
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うちはそれほど信心深くない（と思っている）のでこういうしきたりはめんどくさいと思う方なんだけれども、祖母がすごく信心深いひとだったので、これもまた供養と思ったり、世間体もあるからしないよりするほうが面倒がない、という理由でしていたりする。でもまあ、何年むかしか知れない古いお墓があるのを見たり（父は１５代目らしい）、和尚さんがまるで身近に仏さんの話をしているのを聴くと、故人をしのぶ、そういう習わしがあってもいいなあと思う。ところで霊供膳はおままごと道具みたいで昔から好きだ。

Aug 29 17:00

連れが言うところの四国らしい景色。
お茶に押されぎみの炭酸、しかも関東ではなかなか見られないMATCHが、さらに缶でなくペットボトルで自販機に並んで売られているという感動。（バイ連れ）　大洲駅にて。

Aug 29 19:00

嵐の前の静けさ。夕焼けの翌日は晴れるなんて嘘だ。
松山駅にて。
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ホテルは全日空ホテルでした。県下では屈指のホテルだけれども、広くて綺麗なだけのホテルという感じかなー。アメニティもイマイチだったし。ユニットバスは広くてびっくりしたけど、何をさしおいてもトイレの水洗ボタンがすごく押しにくかったのが辛かった。
全日空に泊まるよ、と叔父に言ったら、ホテルのレストランは高いわりにそれほど美味しくないから外で食え、とか言われたし。まあ大街道＆三越の横、目の前から松山城に行けるので立地はベスト。ボーイさんとか荷物持ってくれます。

Aug 30 13:00

３０日は道後温泉の手湯足湯巡りとかする予定だったんですが、雨。ていうか台風。月曜なのでミュージアム系全部休み。だからまあ、レンタカーでも借りて面河まで行きましょう、という計画を立てていたのです。例によってＲＸ８を借りに行ったら愛媛県では取扱がないということで、じゃあ最近元４００万のクルマを連れが買ったので、今現在４００万相当のクルマでも試乗して比べてみましょう、ということでスカイライン。６時間１万２千円保険込み。
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台風情報を気にしつつも、松山は午前中パラパラ雨すら降らずで、１１時から１７時までの契約で借りました。いやーなんていうか新居浜では避難勧告もされているというのに、近年最大非常に強い台風の中をしかも三坂峠を越えてさらに山奥に行こうなんて、ほんとスリル満点でした。（死ぬ）
３３号から三坂峠を登り久万に入ったところで、雨量２５０mmを越える場合通行止めの電光掲示板が、２００mmでした。上黒岩に差し掛かるところで雨量が２２５mm。はっきり言って暴風雨。ラジオでは宇和島が暴風域に突入。高知との県境など山間部では（ここだ）近年でもっとも土砂崩れの危険あり、とか言ってます。上黒岩を越えたところで通行止め表示が出るらしい電光掲示板の表示がなかったのでそのまま石鎚スカイライン目指して登っていたら、信号が動いていない・・？
・・・・停電。写真はそのまま走っていたら出逢った四国電力の電線修理の模様。ひやー。電光掲示板に指示がないからって突っ込んではいけませんね！　さすがにトタンが飛んでいるのを見たりドラム缶が転がっているのを見つけて石鎚スカイラインには入らず引き返したのですが、同じ道で帰るのもなーと思って国道４９４号側で松山に降りようと思ったら、この道狭い。道が悪い。そのうち杉の葉が道に積もっている、杉の枝が落ちて道を塞いでいる、枝が飛んでくる、杉の木が道路に向かって折れそうになっている、杉で道が埋まっている・・・ので素直に引き返してきました。はー。
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停電中の美川村役場でトイレを借りたら居合わせたおばさんが「この先で通行止めよ！」と教えてくれたので、来た道は引き返さず岩屋寺の方を通って久万に向かい、松山まで。怖ろしい。帰れなくなるところだった。

Aug 30 14:00

スカイラインはさすが高いクルマなだけあって「まるで坂道がないかのような加速」（バイ連れ）をするし、カーブでも全然横滑りしません。揺れない。ヘアピンカーブを上品に曲がっているのに６０キロとか出ててびっくりする。３速でもがんがん登る。鼻があるので四隅が見え、大きいクルマのわりに車両感覚が掴みやすいので運転しやすい。
が、なんか椅子の位置が高くて足が疲れました。２台先が見えるのは嬉しいんだけどねー、足投げ出せる方が好きだ。内装もあまり格好良くない。オーディオもイマイチ。
燃費はリッター７キロ強。８～９キロはいくかと思ってたので大したことないなーと思ったり。
標準でついているナビがこれまたすんごく使いにくく、ジョイスティック壊してやろうかと思いました。すごく乗った。もう乗らなくていいや。次こそＲＸ８乗りたい。

Aug 30 15:00

久万から砥部まで降りてきたところで飛行機の発着情報をチェック。PHSのコンテンツサービス、こんなに使ったの初めてってくらい使いました。便利だ。ＪＡＬの方は前日から全便欠航が決まってたのだけれども、ＡＮＡの方は１１時になっても１５時便までしか欠航が決まってなくて、ホテルで最終便は欠航しないのかと聞いたら「天候次第です」とか答えられました。まあ実際始発便と１０時便は飛びましたけれどもね。
予想はしてたけどほんとに台風にかち合ってしまった。一応前日に、飛行機が飛ばないかも、と思って深夜高速バスを押さえていたんだけれども、バスも瀬戸大橋が通行止めで運休。陸の孤島。東京に帰れないこと決定。旅行会社に欠航の連絡をしたら、翌日の飛行機の振替えとホテルを１泊一人４０００円で取ってくれたので、その指示に従いました。

Aug 30 17:00

スカイラインを返却してホテルに行こう、と決めてレンタカー営業所に持っていったら、お姉さん、「誠に申し上げにくいんですがタイヤに釘が・・・」ぎゃあーグッサリ　　（写真です）
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事故を起こされ、車両の修理が必要となった場合、損害程度や修理期間に関係なく、修理期間中の車両の営業補償の一部として、下記金額をご負担いただきます。（コピペ）
・レンタカーで自走し、予定の営業所に返却された場合：20,000円
・レンタカーで自走できず、予定の営業所に返却されなかった場合：50,000円
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ホラ、対物や対人じゃないから保険じゃないんです。自損。まあね、抜いてたらパンクして帰れなかっただろうしね、いいんだけどね、「一応返却されたので修理代２万円です」とか言われ、タイヤひとつで２まんえんー？？とか言ったらお姉さんの上司が出てきて、タイヤ交換だけだから修理代で６千円、免責補償制度にも加入されているので修理代で大丈夫です、と言われ、６千円で済みました。スカイライン、あの嵐の山道を走ったおかげであちこちに木くずや葉くずを挟み込んで返送され、満身創痍。ごめん。あー土砂崩れとかに遭わずにすんでほんと良かった。（←保険全部入って台風突っ込む奴）

Aug 31 10:00

飛行機欠航のため急遽用意してもらったホテルは東京第一ホテル松山。旅行会社の話だとシングルにベッド２つ入れて使ってもらいます、ということだったんですが、行ってみたら広い。どうやってシングルの部屋にベッド２つも入れるんかい、とか思っていたら、部屋の広さで言うならツイン並。事実ダブルベッドが２つ入っている。あとで訊いたら、デラックスシングルという部屋らしい。アメニティも充実しているし、ＬＡＮ（無料）がある。あうーＰＣ持ってくるんだった！全日空ホテルにもあったけど最近は加湿器が付いているんだねー嬉しい。
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ケーブルテレビに加入していてANIMAXが見られたのが感動だった。鋼の錬金術師、HUNTER×HUNTER、ドラゴンボール、名探偵ポワロ、ガンダムと、普段全然テレビ見ないのにこういう旅行先に限って見てしまう・・。ＮＨＫ教育のピタゴラスイッチが面白かった～♪
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台風は時速１５キロでうろうろしていたくせに、中四国を抜けたとたんに猛スピードで北海道目指して移動したおかげで、３１日の飛行機は無事に飛びました。写真は３１日の朝刊。スカイラインで走ったところ、思いっきり電柱倒れてきて通行止め。久万高原町は１００ミリを越える大雨だったとか。し、死ぬところだった。飛行機欠航のおかげで有休は無くなってしまったけれど、まあ、無事に帰れたから、良かったとしよう。

帰りもバスで帰る予定だったんだけれども、次のバスまで２時間以上空くので、電車で帰ることにした。モノレール＋ＪＲ山ノ手＋ＪＲ常磐は乗換え２回もあるし、へろへろなのに全然座れないし、すごく殺伐としているからもう二度と使いたくない（しかもこれで一回乗り遅れたし）とか思い、京急線にチャレンジ。京急は北総線に直通乗り入れしているので、新鎌ヶ谷で東武野田線に乗換え１回で済むし、羽田空港始発だから座れるのも嬉しい。時間はかかるけれど料金的に差は無いし、京急も東武野田線もそんなに込んでいなかったので気持ち的に楽でした。あーおつかれおつかれ。

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