2002.8.13 .... 6th DAY
　
　「乗っていきませんか？」
　「・・・よろしいんですか」
　
栄タクシーはトイレと部屋を掃除して発った。せめてものお礼だ。
疲れもとれた。気持ちよく１６番に向かう。１５番を通り過ぎそうになりながら、１４，１３と順調。昼前には１３番につく。この分だと１２番麓、今日の目標・神山温泉までいけそうだ。
　
１３番を過ぎるとゆるやかに上り坂。順打ちをしているひとたちがスイスイと降りていくのがうらやましい。彼らは１１→１２とへんろころがしを歩いたに違いない。１２番は難所と聞いてる。私も頑張らねば。
　
とても良い天気で、鮎喰川がきらきら光って、碧だな〜、と感嘆する眺め。対岸は川遊びの家族づれがたくさん。でもこっちはヒィヒィ。天気もだんだん悪くなってくる。坂もどんどんきつくなる。連れは第一号水ぶくれができてしまった。雨が降り出す。寝袋が濡れては困るので用意しておいた黒ゴミ袋で包む。まるでゴミを持ち歩いているようだ。もう５時を過ぎた。あと５キロ。神山温泉につけないかも・・・（ ¨; ）　焦る山道。焦っても山道ってキツイ〜。
　
としているところに白いオデッセイが止まった。おかあさんが降りてきて、乗っていきませんか？雨だし、そこまででも、と声をかけてくれる。
　
歩きへんろってのは一般に完歩をめざすものらしいが、そんな体育会系根性はナイので、大歓喜で乗せてもらう。おかあさん、１２番まで行こうか？と畏ろしいことも言ってくれるが、そこまでしてもらっては・・とお断りして神山温泉まで連れて行ってもらった。別れ際に、徳島みやげだと言ってちくわ８本もくれた。初めて納め札をお渡しした。
　
車はワープだ。５キロなんかものの５分。おかげでゆっくり温泉に入ることができた。５００円。休憩所も分煙してあってゆったり。助かります。水ぶくれも針で抜いてマキロンで消毒。カットバンで万全。
　
神山温泉から１２焼山寺は１６キロ。往復３２キロ。ゆうに丸１日かかる。しかもきっとすごい坂だ。歩けるかさえ不安。荷物は置いていきたい。とするとどこかで２泊して、荷物は預ける方がいい。探してみるとキャンプ場がある。聞くとすぐ裏手らしい。早速電話。
　
「テントサイトはいっぱいなんですよ〜」そりゃねお盆だもの。世間は夏休み。１年で一番の稼ぎ時に違いない。「そうですよね、すみません、ありがとうございました」と電話を切ろうとすると、「あ、もしかしておへんろさん？あのね、隅っこでいいんだったらあるんですよ」と天の声。ええ！隅っこでいいんです！
　
普段はバーベキューに使うらしい空間を提供してくれた。隣で外国人のひとも同じように借りている。２泊させてほしいというと快く承諾してもらった。一人１０００円で、２泊で４０００円。どうやら入場料だけでいいらしい。格安！
　
　（神山温泉５００円）　コットンフィールド泊　お盆価格入場料千円