2002.9.9 .... 33th DAY
　
　「おう、歩いとるんか、乗ってけや」
　「ありがとうございます〜」
　
石手寺の朝は雨。やる気を無くす。荷物をまとめている間に雨は上がったので助かったけど、一度落ち込んだ気分はそうそう浮上しない。観光がてら、路面電車に乗る。
　
道後温泉から坊ちゃん電車が出ていくのを見た。ちょっと古風なハイテク路面電車。蒸気の音も作り物だけど心地よい。あれが大街道、あれがお城、あれが市庁。そんな案内をしつつゴトゴトと本町６丁目まで、１５０円。らくちん。
　
でも調子悪。６丁目から次の５２番を目指して、たらたらと歩いていると、軽ワゴンのおじさんが声をかけてきてくれて５２番までワープ。ありがたい。おじさん、どうやら電気系会社の社長で、見積もりを届けに出かける途中だったらしい。仕事の都合なんてどうにでもできるのが社長ってやつよ！と豪快に笑って送ってくれた
　
５２・太山寺で休んでいると、納め札の箱を漁っている怪しいおネエさんを見つけてしまう。やだな〜。納札というのは、へんろの回る回数で色を変えることができるんだけど（５回巡拝すると緑）、錦（１００回以上）金（５０回以上）銀（２５回以上）の札を探して漁る人がいるらしい。そういうのは聞いていたけど、ほんとにいるんだなぁ、と思って見ていたら、おネエさん振り向いてこっちに来る　コワイ( ¨ ;)
　
「あのね、募金活動してるんだけど、募金しない？　ほらＮＹの事件あったでしょ」
・・・・。この人と関わるのイヤだ〜と思って、速攻お断り。
「いや、そういうのは、人に言われてはしないようにしてるんです、自分がしようって思った時に、してます」
そうしたらおネエさん、なんか袋を出してお接待、とか言う。
受け取るべきか？　と思ったけど丁寧にお断りした。ごめんなさい。
　
５３・円明寺は５２からすぐ。順調に巡拝。
でも５４〜５５は北条市をつっきるのでそれなりに遠い。１９６号を延々と歩くことになる。お弁当でも買って食べるか〜と歩いていると、かっちょいいアリストから声をかけてくれる人あり。
だれ？と思ったら、さっきの軽ワゴンの社長だった！
「次は遠いやろ！送るで！」
　
社長、さっきの仕事を終えて戻ってきたらしい。お弁当まで買ってくれて、つぎの５４・延命寺まですい〜っと送ってくれた。さすが社長、すごいバイタリティあるねえ。社長はもともとは宇和島の人だとのこと。やっぱ南予の人柄がいいよ〜としきりに語ってくれた。
　
５４・延命寺ではびわ茶をお接待していただいた。朝、道後温泉を出てきた時の気分から考えると、すごい早さで５５番まで巡拝終了。５５番の住職に「清正の湯」を教えてもらう。
　
清正の湯は、５６番を通り過ぎてしまうけれど、おへんろさんは通常５００円の入浴料を半額の２５０円に割引してもらえる。沸かしなおした温泉だけれど、プールやスポーツジムが併設でキレイで広い。洗濯機もあったので使わせていただいた。閉館の１１時まで休憩して、駐車場の隅にテントを張らせてもらって、就寝。
　
　（清正の湯　２５０円）　清正の湯駐車場　テント泊